●血虚とは●
前回の「気虚」に続いて今回は、「血虚」について話してみます。火と炭にたとえてみましょう。火の勢いが小さいのが気虚とすると、火の源の炭が少ないのが血虚と言えます。血の力が弱い、栄養も十分ではない、貧血や低血圧などの人も血虚の範疇に含まれますが、漢方で言うところの「血虚」はもっと大きな概念です。症状、舌状、脈、顔色、声状、体格等々を詳らかに観察し、弁証することで決定される古来から変わらぬ東洋医学の病名です。
常見的症状としては顔色が悪くつやがない、皮膚がカサカサして潤いがない、爪の色が悪くもろい、目が疲れる、目が乾燥する、目がくらむ、頭がぼーっとする、ふらつく、動機がする、手足がしびれる、筋肉がぴくぴくひきつる、筋肉が痙攣する、女性では、月経周期の延長、月経量が少ない、色が淡い、無月経など表れ易くなります。
漢方には当帰、芍薬、地黄を初めとして多数の補血薬、補血剤が揃っています。 |