●尿の悩みについて●
慢性膀胱炎については以前にお話いたしましたので、今回は、その他の尿漏れや前立腺関連の異常について述べたいと思います。
その中でも特に加齢に伴う尿異常の訴えが多数です。いずれも、ホルモンや諸機能の衰えが殆どです。
これを漢方では「腎虚」といいます。漢方でいう「腎」とはホルモン機能、生殖機能や脳の働きをも包括したものと考えてください。
食生活や生活習慣、加齢等がもとで長年の間に腎虚になります。このような手術を好まない疾患の治療は漢方がよいのです。そして、漢方の長期服用がさらに有効。
一般的な補腎薬には、八味丸、六味丸、杞菊地黄丸、牛車腎気丸、知柏地黄丸等があります。
では、腎虚が原因だからみんな補腎薬を服用すればよいかというと、そう単純にはいきません。
私の十数年の経験の中では、補腎薬よりそれ以外の漢方薬の方がはるかに良効を得てきたと感じています。直接的な原因は「腎虚」なのですが、腎虚を招く他の要因を治療する事により結果的に腎虚が治り、「尿の異常」が治ってゆくという方法の方が、より有効のようです。
他の要因の中で、特に考慮しているのは、「痰湿」「血」それに「肝鬱」でしょう。 |