●水毒について●
人体の60%とも70%とも言われる水液の良否が、人の健康を大きく左右するのは当然です。唾液、胆汁、膵液、腸液などの消化液の分泌や再吸収の問題、組織液の状態等も、みな古人の言うところの「水」の範疇(はんちゅう)に入ります。健康であれば水液は生理的に正常ですが、食べ物や水分の摂取に誤りがあったり、生活環境が悪かったり、ストレスが多かったりして水分代謝が悪くなければ、人は健康を害するようになります。この体内の水分の悪化した状態が即ち「水毒」なのです。つまり、水分の循環が悪く、停滞したものです。
さらに水毒は、痰飲、湿、水腫などに分類されます。
そして、咳痰、頭痛、肩こり、めまい、むくみ、尿の異常や関節痛、胃腸病、精神症状などあらゆる病気の原因となります。また、奇病や難病には水毒の関わった病気が多いようです。漢方薬の中で「痰薬」「湿約」「利水薬」などと呼ばれるものが水毒を排泄する漢方薬です。さらに夫々の温性と寒性とを考慮した上、体質病状に合わせて使い分けなければなりません。漢方薬を服用する場合は、漢方の専門家に詳しく相談をしてからにしてください。
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