●喘息と漢方●
喘息は、気道が狭くなって呼吸が苦しくなる病気です。漢方では『気息をもって喘となし、気響をもって哮となす』と言います。つまり、息苦しい呼吸困難を『喘』、ヒューヒュー、ゼーゼー、ゴロゴロを『哮』と言い、区別して考えます。哮は必ず喘を伴いますが、喘は哮を伴うとは限りません。
また、息を吸う時に苦しいか吐く時か、喘に咳を伴うか、発作期か休作期か。それぞれにより漢方薬は異なってきます。特に休作期の治療こそが根治療法です。そして治療にあたっては、厳受しなければならないいくつかの重要な原則があります。
その中でも最も重要なものに『二綱』があります。実喘か虚喘かを分別することです。
実喘とは、邪気(寒邪熱邪痰邪)の存在が大きな要因になっている場合です。呼吸が荒く喘鳴が大きくて胸が詰まったようで、口を開けてハーハーッと肩で息をしたり、絶えず体を動かしていたり、動的です。
虚喘とは正気が弱っている場合です。低く弱々しい喘鳴で息も絶え絶えで浅い呼吸しかできない、体力気力が弱くじっと耐えている静的状態です。
それぞれに合った漢方薬を選びましょう。
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