●漢方と神経痛●
これから寒くなりますと、増加してくるつらい病気の一つです。現代医学では、各部位や組織器官の違いによってさまざまな病名に分類されていますが、漢方では気血の滞りに起因する病気、つまり「通じざれば痛む」と考えます。
身体は経絡(目に見えない東洋医学独自のもの)、神経、血管を通じて気血を全身に廻らせ健康を維持しています。
その気血の運行が阻害された病気が「神経痛」です。
神経痛は、経絡の阻害に重点を置きます。人の体表は、六淫の邪(風、寒、暑、湿、燥、火)に常にさらされています。体内から発する「衛気」が体表を覆い、六淫の邪から人体を守っていると考えます。
従って、体内の五臓六腑が正常であれば衛気の力が充分であり、六淫の邪には侵されません。しかし、衛気が弱り、六淫の邪が皮膚経絡に侵攻し身体を犯せば、必ず病気になります。その中、神経痛は「風、寒、湿」の邪に侵された病気と考えます。
邪は時間とともに身体の奥深くにじわじわと入ってゆきます。慢性化するほど頑固になります。漢方では、邪の種類と体内の状態を考えて漢方薬を選びます。
|