●動悸と漢方●
東洋医学では、動悸を「心悸」と言います。心悸という文字から受けるイメージの中には、不安感、驚気、恐れ、悩み、怒りなどが感じられると思います。
つまり、古人は、動悸の中に心因性のものをかなり重要視して考えたようです。
現代医学的には、不安神経症や自律神経失調症、うつ病やパニック障害等の疾患の症状の一つとして動悸が現れることがありますが、この場合も、漢方で言う「心悸」の漢方薬を服用していると、動悸はもちろん、不安神経症やうつ病そのものも治ってしまうというような例が日常よくあるのです。
漢方には動悸に関してもう一つ、脈の状態から見た「結代」と呼ぶものがあります。不規則に飛ぶ脈を結、規則正しく飛ぶ脈を代といい、飛んだり止まったり、数を打ったり、二つ合わせて通常は「結代」と呼んでいます。
現代医学の徐脈、頻脈、期外収縮、不整脈等はこれに当たります。
もちろん、なんでも漢方薬で治るというものではありませんが、外科的治療が不可欠な場合を除いて、医療検査では不明であったり、西洋薬で満足でない場合は漢方薬もご一考なされたらと思います。 |