●物忘れと漢方●
最近人の名前が出てこなかったり、物忘れが激しい、言葉がなかなか出てこない等、いわゆる「健忘症」に悩んでいる方は多いと思います。加齢も当然原因の一つですが、そればかりではありません。高齢者でも健忘症でない人はいくらでもいます。
また現実的には、健忘症からボケ、認知症に進んでゆく人がほとんどではないでしょうか。最近西洋医学でも漢方薬の「抑肝散」や「帰睥湯」が認知症予防薬として話題になっているようです。
しかし体質も考慮せず、ただ誰でもそれらの処方を服用すれば、効果が上がるというものではありません。
漢方では、脳を奇恒の腑といい、五臓六腑とは別に位置付けております。
「人は、腎精を生じ。腎は精を主る」「腎は骨髄を生じ、腎は髄を主る」そして「脳は髄海となす」といいます。
つまり、人は父母の腎精を受け生まれ、飲食物の精をもって腎精を増やし続けてゆき、腎精を消耗しながら生きているのです。
従って、腎精が充足していれば脳髄は満たされ、髄海(脳)は正常に働くのです。腎虚すればボケるのです。
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