●気と漢方●
西洋医学には、血液の概念と水あるいは液体の概念はありますが、「気」に対する概念はまったくありません。
ところが、漢方では「気」を根本的理論の基礎としていますから、この気の概念を無視して何も語れませんし、漢方薬も正しく使えません。
そして、漢方でいう五臓とは、肝心脾肺腎それぞれの「臓気」をもっていいますが、西洋医学では「臓器」として理解します。
臓器をどんなに検査しても臓気が分かるはずありません。気の概念のない西洋医学で漢方薬を理解しようとすることが無理なことは当然のことでしょう。
気が血を作り、気の流れが、血液や水分の流れを調整します。
さらにいえば、身体を温めたり、外気や外敵から身体を防衛しているのも気の作用なのです。
例えば、この防衛する気(衛気)が弱くなれば外敵が侵入しやすくなり、風邪をひいたり花粉症になったりしやすくなると考えます。
さらに気には、真気、元気、宗気、営気等々あります。このように漢方と西洋医学はまったく異質の医学といえます。
漢方では症状から五臓六腑の臓気、腑気、全身の気血、陰陽の状態を考え、さらにそれぞれの体質に合わせて漢方薬を選用します。 |