●のどの異物感について●
病院で何度も検査しても異常が無いのに、何とも言えない咽喉の異物感に悩まされている人は、実に多くおります。漢方では、どんな症状でも身体が異常を知らせている信号としてとらえますので、必ず病因は有るという立場に立って考えます。病気は検査で全て分かるとは限りません。
そして、漢方医書には古くから、常見病の一つとして「咽中炙臠」という病名が記載されております。「咽中炙臠というのは、咽喉または胸骨の裏のところに、焼き肉の一片か、あるいは梅干しの種のようなものが、引っかかっている異物感、刺激感のことで、これを飲み込もうとしても下らず、吐き出そうとしても出ないという特有な症状を指しているもの」とあります。
人によって訴え方は様々ですが「咽喉がふさがる、むずむずする、イライラする、咳払いしたい、いつも痰が詰まっているよう」等々。この病気に使用する漢方処方はいくつも有りますが、ほとんどが、肝気の異常を訴えている病気とみなします。漢方相談では日常的な訴えの一つです。 |