●誤った漢方薬の認識●
当方をはじめて訪れる人のほとんどが、漢方薬に対して誤った認識を持っています。それは、情報過多の今の日本を象徴している現象であると思います。
ネットやTVを通じて医学的情報を一般人に知らせる場合、漢方の分野でも現代医学的説明でないと理解されません。
そこで、漢方薬の説明、使用法も現代医学と結び付けて説明されています。漢方と現代医学とでは用語や病名の意味するところが違うのです。両者は、根本的理論が全く違う異質の医学であるという認識が必要です。
一例を示しますと、漢方では「気」「血」を重んじ、その異常に対しては相当する漢方薬を使用します。しかし、現代医学には「気」の概念は有りませんし、「血」と「血液」は意味の異なる用語であり、血液検査で「血」は分かりません。
この例のように全てが違う医学なのに現代医学の検査や病名を頼りに漢方薬を服用している人の何と多いことか。その結果、漢方薬の本当の良さが皆様に分かってもらえないことになるのです。私は、それが残念でなりません。
さらに漢方薬には、対症薬(標治)と根治養生薬(本治)の使い分けが有ります。漢方薬は漢方の理論で使いましょう。 |