●認知症と漢方●
今や「認知症」という言葉を知らない人はいないくらい認知症は現代社会の抱える大きな問題であると言えるでしょう。一般的には、アルツハイマー、痴呆、ボケなどと言われる、自分自身を正しく認識することができなくなってしまう脳の病気の総称と言えます。そんな中、認知症の予防に漢方薬がかなり有効であるという大学病院等のデータがテレビや新聞で最近よく報道されております。
その中には、色々な漢方薬の名前が出てきます。抑肝散、抑肝散加半夏陳皮、帰脾湯、加味帰脾湯、黄連解毒湯、逍遥散、当帰芍薬散等々、まだまだ色々な漢方薬が並んでいます。実際にはどの漢方薬も正しいのです。
ただ問題は、その人の体質に合った漢方薬でなければ何の意味もないし、時には身体に良くないことさえあるのです。漢方では、よく「体質」という言葉を使いますが、正式な漢方用語では有りません。
一般の人に説明する為の便宜上の表現に使う言葉と言えます。正確には「証」ということになります。この証は漢方独特の「四診」に基づいて決められます。血液検査、MRI、MRA、CT等の医療検査で分かるものでは有りません。
漢方は今も、医療検査の無かった昔と全く同じ方法で体質を見極め、その人、人に合った漢方薬を選んでゆくのです。漢方の専門家によく相談をして選ぶことです。 |