●アトピー性皮膚炎と漢方●
アトピー性皮膚炎は、現代社会が生んだ新たな病気であり、ひとつの文明病とも言えるでしょう。食事や生活環境、ストレス等の複合的な要因による現代病です。
漢方では、原因として、体質的素因である内因と生活習慣や環境因子である外因の両面から考えます。 その中で上記の複合的要因の悪化がさらにまた体質的素因である内因を悪化させてゆくという悪循環で病状は悪化してゆきます。
漢方薬は主にこの内因の治療に重点を置きます。
生活上、外因に注意を払いながら、生活環境に負けない体質作りをしなければアトピーを根本的に治すことはできないでしょう。
専門的には、アトピーを「内熱」からくる「陽証の病気」と見ます。特に胃腸虚弱な幼児期に、日本人がかつて口にしなかった卵白や牛乳牛肉などの高栄養価のたんぱく質や、生の野菜や魚介類を多食すると容易に脾胃湿熱という内熱を生むことになります。
さらにストレスが加われば肝火、心火の内熱も生じます。それらの内熱が血分に入りアトピーは悪化してゆくのです。
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