●腎虚とは●
男性機能の衰えた状態を、江戸の昔から「腎虚」と言ったりしましたが本当はどんな意味でしょう。東洋医学では「腎は精を蔵し、成長発育、生殖をつかさどる」と言い、人の一生は腎気の盛衰で作られるとしています。加齢現象もひとつの腎虚です。
さらに腎は、腎腸と腎陰からなります。腎腸は、身体を温めたり機能させたりする人体の活動エネルギーの根源であり、腎陰は、身体を滋潤し栄養する大元です。腎腸腎陰は相互に関連し合い、人の生命活動を維持しております。腎腸が衰えますと、冷え、性欲精力減退、むくみ、だるさ、夜間尿などが現れます。腎陰が衰えますと、のぼせ、ほてり、加齢高血圧などに苦しみます。
漢方では「腎の腑は膀胱前立腺、五官は耳、五体で言えば腰、骨、歯」と考えます。そこで、尿の異常、耳鳴り、腰痛、関節痛の症状も「腎虚」の主要症状になります。つまり「腎虚」とは、現代医学の泌尿生殖器系、ホルモン系、免疫系、中枢神経系をも含んだ東洋医学の独自の病名なのです。
そして、腎腸に良い食べ物は、羊肉、鹿肉、ドジョウ、ギンナン、ニラなど。腎陰に良い食べ物は、黒豆、そら豆、黒ゴマ、セロリ、クコの実、すっぽん、うなぎなどがあります。専門的には漢方薬が有ります。 |