●疲労倦怠感●
主訴としての疲労倦怠感はもちろんですが、他の病気から来る疲労倦怠感も有ります。いずれにしても漢方では、結果として気血の循環が不十分であると考えます。大きくは二つの原因に分けます。ひとつは気血が不足しているか、その力が弱っている事であり、もうひとつは気血が汚れていて流れが悪くなってしまっている場合です。
前の方には補気、補血の治療法で朝鮮人参、黄耆、白朮などの補気の生薬や、地黄、当帰、芍薬などの補血薬が使われます。後の方には、それぞれ悪いものを取り除く漢方薬が使われます。
実際の治療の場合は、一人ひとりの体質個体差、病因病機に合わせて漢方薬が決まるのですが、大きな考え方を説明すると以上のようなことです。
そしてもう一つ、疲労倦怠感を論じる上で「肝」は特別な臓となります。「肝は疲倦の臓」とも言われまして、疲労倦怠感とは切り離す事ができません。ですから、肝をいたわり、補い、肝に良いものを食べ、肝をいじめないことです。
現代医学の言う「臓器」の肝とは違います。このへんのところや補気補血の概念などは、東洋医学の独壇場です。 |